平成30年10月7日 世界遺産五箇山道宗道トレイルラン

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10月7日五箇山道宗道トレイルラン

 

2年ぶりに道宗道トレイルラン大会、ロングに参加しました。

これは、富山県南砺市五箇山の行徳寺から、菅沼集落を通り、小倉山、高落場山、高清水(ショウズ)山、八乙女山などの尾根道を通り、井波の瑞泉寺までたどる、約36Kmのレースです。

蓮如上人の強信な門徒であった道宗和尚が、自宅のある五箇山から、蓮如上人が来られている瑞泉寺まで、毎日通われた道だといわれています。道宗は、映画「なぜ生きる」にも出てきますね。

距離はそれほどでもありませんが、急登と、テクニカルな下りで、なかなかの走りごたえのあるコースです。

最初に行徳寺の住職が道宗について説明していましたが、簡単すぎます。
実際は以下のようなエピソードが残っています。

 

 

ある正月、蓮如上人が、富山県井波の瑞泉寺で、年を越された時のこと。
いつものように道宗は、元旦の勤行から参詣するため、真夜中に床を抜け出しました。
外は吹雪。
凍てつく空気が体の芯までしみる。
身仕度を整えた道宗は、漆黒の闇に向かって歩きだしました。
赤尾から井波までは雪深い山々を越えること約三十キロ。優に五時間はかかる。
「ザクッ、ザクッ、ザクッ」
腰まで積もった雪で、思うように進まない。
どんな豪傑でも心細くなるような真夜中の山道が続く。
だが、「この山を越えれば、また蓮如上人から、阿弥陀如来のご本願をお聞かせいただけるのだ」
蓮如上人を心よりお慕いする道宗の心は明るかったのです。
片道五時間の道のりも、苦にはならない。
しかし、例年にない大雪で、山中深く踏み入るほど、雪はいよいよ道宗の行く手を阻み、
峠にたどり着いた時には、山を下る道は完全に消えていました。
「ああ、ここまで来ながら、蓮如上人にお会いできないほどの無念があろうか」
道宗は、なおも道なき道を進もうとしましたが、方角が全く分からない。
もはやこれまでと、断念しかけたその時、ふと目の前の雪に舟を引いたような、一筋の道がついているではないか。
歓喜した道宗は、一目散に井波へ急ぎました。

一方、夜明けを迎えた井波御坊では、勤行の準備が整えられ、蓮如上人のご出座をお願いしました。
蓮如上人は「道宗は来たか」と尋ねられました。
「いえ、まだ参っておりません。ですが、上人さま。今朝はこの雪でございます。とても山から出てくるのは無理かと」
従者が申し上げると、
「いや、あの道宗のことだ。必ず来るに違いない。しばらく待とうではないか」
とお答えになりました。
道宗の参詣をいぶかりながらも、一同が彼の到着を待っていると、やがて、全身雪まみれになって、御坊へと向かってくる
道宗の姿が現れたではないか。
報告を聞かれた蓮如上人は、
「そうか、道宗が着いたか。では、鐘と太鼓を打って、皆に勤行開始の合図を」と命じられます。
シンとした山合いに澄んだ音が響き渡りました。
元旦に響く鐘と太鼓は、この時から「道宗打ち」といわれています。

「一日の嗜みには朝つとめにかかさじ」
法話に参詣していながら、帰命無量のご調声にあえぬは、三年の飢饉にあったようなものだ”と常日ごろから
語っていた道宗は、今日でも親鸞学徒のかがみとたたえられています。

(ここまで)

 

 

この道を真冬に真、しかも猛吹雪の中を走ることはとても考えられません。

道宗の体力は桁違いだろうと思います。昔の人はすごい。
道宗和尚をしのんで、頑張って走ろうと思います。

2年前に参加した時は、前日が雨で、当日はやんでいたにもかかわらず、下りは滑りまくりで、転びまくった記憶があります。

今回は、ちょうど台風の接近で、開催が危ぶまれましたが、コースを短縮して行われることになりました。
最初の小倉山への急登がなくなり、スタートがたいらスキー場の駐車場になり、10Kmちょっと短縮されました。
24㎞くらいになったそうです。
最初から高速レースになりそうです。
スピードのない私としては、長い方がよかったのですが、仕方ありません。
また、雨なので、通常以上に道がぬかるみずるずるに滑るということです。

もともと滑りやすいコース。大変なことになりそうです。

最初6時間以内に走れば、来年以降のエキスパートコース参加資格が与えられるとのことでしたが、距離が短くなったので、4時間以内ということになりました。

これは行けるかも。
でも、ズルズルのコースでは難しい。条件が悪すぎる。
うまくいけば挑戦してみよう。そう思いました。

ラン友で、トレイルラン歴が私より長いTさんも参加です。また真生会の情報室のSさんも参加するとのことです。
Sさんは60過ぎですが、いくつものマラソン大会に参加されている元気な方です。
スタート前、Tさんにはあえましたが、Sさんにはあえませんでした。

前回と同じく小出徹さんと、松本大さんがゲストランナーとして盛り上げてくれますし、
高瀬裕行さんと、福井哲也さんが、エキスパートコースを走るということです。
また紹介されませんでしたが、私がひそかに尊敬している阪田啓一郎さんも一般参加されていました。
阪田さんは、4年前のTJARを完走されています。

 

 

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 装備は、ノースフェイス10Lバックパック、水800ml、マイカップ、レインコート、熊鈴、固定用テープ。補給食はなし、ベスパプロのみ。

エイドが充実しているので、補給食はなくていいと思いました。

 

雨がやや小ぶりになりました。8時スタート、たいらスキー場の周囲を回るようにして、
高落場山登山道まで走ります。登山道入り口でやはり渋滞しました。ここで時間ロス。
そのあとも、高落場山への登りはゆっくり入ります。雨は降り続いています。頂上まで標高差約500m。
急峻な登りもあり、一部平坦な箇所もあります。
朴峠まで行くと、右に進路を取ります。
ここから急峻な坂道が多くなります。雨で多少滑りますが、登りはまだそれほどでもありません。
いくつかの急な登りを進んでいくと、南砺のへそといわれる小広場を通過。
さらにしばらく進むと、高落場山山頂です。8:50分。少し遅い。
そこからテクニカルな下りになります。滑りやすいですが、それほどでもありません。
この下りで何人か追い抜きます。登りに入って、左に進路を変え、走りやすいフカフカなブナ林の落葉道をしばらく行き、
急こう配の下りを降りると、舗装路に出ます。
そこをしばらく下ると、縄が池のエイドです。到着9:10分頃。すこし盛り返しました。4時間いけるか。
前回と違い距離が短く、体力に余裕がありましたので、5分ほどの水分補給のみですぐに出発しました。
縄が池のふちをかすめるように回り込んで通り過ぎると、やがて竜の背中と言われる急峻な登りになります。
暫くのぼりが続き、林道を横切り、さらに登っていき、正ピークを二か所過ぎ、いったん下って、
さらに上ると、高清水山山頂です。縄が池から標高差約400m。10:00
ここから尾根道になりますが、この高清水山を過ぎた下りから、ズルズルのすべりやすい泥道になります。タイムロス。
池の側の道を通り、その後下ったり登ったりを繰り返しながら、フカフカのトレイルがしばらく続きます。
この辺りは走りやすいです。遅れを取り戻すべく、スピードを上げます。
索道峠の鉄塔を抜け、杉尾峠を抜けます。スタッフの方が番号チェックします。
大尾峠は無人、しばらく進むと新山峠です。ここにもスタッフの方がいて、応援してくれます。
赤祖父山の下り、扇山の下りはまたドロドロ、ずるずるです。またまた大幅なタイムロス。
そこを降りると、林道におり、そこをしばらく進んで、大寺山の登りに入り、そこから急な下りですが、ここがひどい。

ズルズルの泥道で滑りまくり、なかなか下れません。よちよち歩きです。

更なる大幅なタイムロス。
そこを下りきると覗口峠エイドです。11:15分到着。予定より大幅な遅れ。

ゴールまで残り8Kmということです。
4時間切りをこの時点であきらめました。
休憩を十分にとり(約10分)、出発。
登山口に入り、上り下りを繰り返し、林道も抜けていきます。

ここまでの下りもかなり滑ります。

やがて八乙女峠のエイドです。水を頂きました。
さらにここからは下りベースで、木の階段もありますが、このくだりがまたまたひどい泥道です。ここでも大きく時間をロスし、何回も転倒しながらやっとのことで、ロードに出ました。
あと3㎞の看板があるところで12時過ぎました。残念。
閑静寺公園を横切って下ります。ここでトイレ休憩。
砺波平野が見渡せる、景色の素晴らしいところです。
写真を撮りたかったのですが、手が泥だらけで、とても無理です。
さらにトレイル区間を少しずつ下り、井波市街地に入り、
曲がりくねった道を進み、最後瑞泉寺参道を通って、瑞泉寺の門がゴールです。
12:26分ゴール。4時間26分53秒。

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この道路コンディションでは、こんなもんでしょう。もう少し早く行きたかったのですが。
うどんを頂き、どろどろの脚を洗いました。本当に泥だらけです。
トップはやはり、阪田敬一郎さん。2時間41分。早い。さすがです。あのどろどろ道をすごい。

 

このコンディションでいかに早く進むか。

後半になるにつれて、どろどろにおぬかるみ道への対処力が落ちるのがわかりました。

疲労がたまってきたときに、如何にうまく下れるか。ここがポイントです。

距離が短くなっても、後半の疲労感はかなりあり、脚力不足を感じます。

登りの脚力、効率のいい登り方、疲労をためない走り方、下りのテクニックなど。

総合的な実力不足を感じました。課題点がみえてきました。

また機会があれば、来年も参加できればと思います。